華厳経断簡「二月堂焼経」

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紺紙銀字華厳経断簡「二月堂焼経」 巻第十九 金剛幢菩薩十廻向品

奈良時代  
中廻風帯:花鳥文錦 8~10世紀           
全体 長 94.5 幅 21.5cm
本紙 長 26 幅 9.9cm

寛文7年(1667)2月14日、東大寺二月堂が修二会(お水取り)の期間中、
焼失した折に焼け跡の灰の中から発見されたと伝わる華厳経の断簡、
二月堂焼経です。

二月堂焼経のなかでも、銀色のかがやきと端正な筆致の美しさが
際立っています。

古代日本の仏教興隆の気風を感じさせる、天平時代の代表的な写経であり、
同時代の紺紙銀字経として唯一現存する遺品ともいわれています。

表装には、シルクロードの終着点とも呼ばれる東大寺を思い、
シルクロード交易が最も盛んであった時代に好まれた意匠とも伝わる
花鳥文錦をあわせました。

その華やかな錦を取り囲む、侘びた趣の深みのある茶地古裂は、
古代寺院を支え、千年以上の年月を経て今日まで伝わった
天平古材の佇まいを思い、取り合わせています。

往時の華やかな時代の気分をお愉しみいただけましたら幸いです。


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